4代目 居山哲也のひとりごと

Vol.3
大切な物を包む
2017.12.13 wed.

弊店の始まりは”餅屋”、米を使用した菓子つくり。餡があって、それを餅で包む、というのが基本にあります。餡の話についてはまたの機会としまして、今回は餡を包んだ和菓子、それを紙で包む、「パッケージデザイン」についてお話します。

創業当時からの代表銘菓「平作もなか」は、先代の頃にサイズがひとまわり小さくなりました。一箱は9個入り、これを2段、3段と重ねられるスタイルです。パッケージを考案してくださったのは「山口デザイン事務所」の山口信博さんと美登利さん。「折形デザイン研究所」も主宰されていて、約10年前、私が折形教室に通ったことが出会いとなり、数年前から弊店のパッケージデザイン開発にご協力いただいております。

9個入り × 1段

9個入り × 3段

折形は、心を込めて和紙で物を包み渡す、という礼法で、日本に600年以上続くと言われます。大切な物を包む、そこが和菓子づくりと共通する概念でもあります。上質な北海道産小豆と香川県産和三盆でつくったこだわりの餡を、最中皮で包んだ「平作もなか」。その箱包みにも、どこか折形の精神が紡がれているように感じています。

箱を重ねられるデザインは、幕間にお重を広げる様子を表したもの。よいことを広げて行く、という意味合いも込めています。箱に入れた栞は、歌舞伎の緞帳をイメージ。

「平作もなか」の題字は、祖父の友人の書より、山口美登利さんが起用。

沼津を舞台とした歌舞伎「伊賀越道中双六」の登場人物「平作」にちなんだ最中。歌舞伎の幕間にも食されてきました。

4代目居山哲也

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大切な物を包む
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